2013年05月22日

医師不足の現状

病院診療は3時間待ちの3分診療と言われ、病院に行けば待合室で待つ患者さんであふれかえっていることからしても、患者さんを診る医師がいない、医師不足が深刻な社会問題と化してきていることを実感せざるを得ません。最近では医師数が十分でない(安全な医療を遂行するには最低限のスタッフ数が必要です)ために、産科の診療を閉鎖したという病院も出てきています。それでは子どもを生もうとしているお母さんたちは、どこで子どもを生めばいいのか!?事態は想像以上に深刻です。(特に離島では医師不足がすごいです。こちらも参考に)

2011年に厚生労働省が発表した医師不足に関する調査では、医師が充分に足りている地域はゼロであると発表しています。現在の医師数に対する必要医師数の倍率を都道府県別で見た場合、最も低い東京においても1.08倍で、ぎりぎり足りている…といった状態です。この医師不足は地方、僻地、離島、と過疎化の進行や生活に不便な地域であればあるほど顕著になってきており、医師の充足率が最も低い北海道・東北エリアでは需要の半分も満たされていない所も少なくありません。日本全国、医師が充分に足りている地域はない!と言っても過言ではない状況なのです。

多くの病院・医療機関は医師の負担軽減のため、または退職医師の補充として求人を出すも、実際にはなかなか人材は集まらず、求人を出しても人材の確保が見込めない、さらには経済的理由により医師を増やすことができない、など医師確保の難しさが見えてきます。

こうした医師不足からは様々な弊害が生じてきます。病気やケガをした時に診てくれる医師がいないということは、場合によっては救える生命を救うことができなくなる恐れがあります。小さな町や村では住民の健康を支える医師がいなければ、そこに住まう人たちがいなくなり、最終的には町村の閉鎖に追い込まれかねません。

現場で働く医師にとってはまず医療の安全確保が難しくなってきます。医療という身体的侵襲をともなう行為を行うに当たって、充分なスタッフ数が確保されていなければ、確認作業やリスクヘッジもままならず、最低限のスタッフ数で業務を回している場合には、患者さんの急変や急患に対応できる余裕などありません。またマンパワーが少ないことで、医師一人当たりの負担が増大し、過労や慢性疲労が医療事故やミスの誘発、過労死や過労死自殺など医師を追い込みかねません。何とか一刻も早くこの事態を打開できなければ、尊い人の生命が消されてしまいかねないかもしれません。




Posted by もこっち1206 at 16:43